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茶の湯 歳時記 ~ 二月 ~ 茶道の知識

2016/01/17

茶の湯 歳時記 ~ 二月 ~ 茶道の知識


茶の湯歳時記~十二か月のうち、二月の主な茶趣や行事などを紹介します。


二月の別称~如月、梅月、梅見月、麗月、雪消月、初花月、仲春など

二月の二十四節気啓蟄(冬眠していた虫たちが目覚め、はいだすようになる頃)、春分(立春から立夏までの中間で、昼と夜の長さが等しい)


二月の茶趣


初午

二月の最初の午の日を初午といいます。初午は農業神の稲荷の祭日とされ、伏見稲荷大社をはじめ、愛知の豊川稲荷や佐賀の祐徳稲荷神社など、全国の稲荷神社で祭礼が行われます。茶家でも、初午に寄せて、十二支の午や、稲荷の使いの狐にちなんだ茶道具を取り合わせた茶会が行われます。


暁の茶事

十二月から三月の炉の季節、とりわけ寒さの厳しい早暁に催し、冬の明け方の風情を楽しむ茶事です。冷え込みの厳しい午前四時頃に席入りし、明け方の刻の移ろいを味わうものです。亭主は前夜のうちに露地の灯篭や、席中の行燈に火を灯し、灯芯に丁子頭と呼ぶ燃えさしの塊ができたら、いったん消し、迎付の前に再び灯して、早暁の薄明の中に燃え残りの灯火がほのかな光をただよわせる風情を味わいます。そのため、この茶事は残灯の茶事ともいわれます。


雪見の茶

近年はあまり行われないそうですが、昔の茶人は雪が降ると必ず、露地に積もる雪、積もった雪とその雪景色を愛でる雪の茶の一会を催すことを心得としていたようです。

雪見の茶は、前もって予測できない不時の茶であり、あまり構えることなく雪の風情を楽しむものであったといいます。亭主は降雪が予測されるときは、飛び石や蹲踞などに覆いをし、露地下駄や露地笠を準備します。また待合や本席も暖かくし、蹲踞には湯桶などを用意するなどします。


大炉開き

大炉とは、茶室に切る炉のひとつで、正式な寸法の一尺四寸四方より大きい一尺八寸四方の炉をいいます。 大炉は、裏千家で玄々斎が嘉永二年の知恩院門跡尊超法親王の献茶の折に創案されたもので、六畳逆勝手を本法とする裏千家独自のものです。裏千家では、二月の厳寒の時期にのみ開かれます。 



二月の行事 ~ 茶道の知識


節分釜

節分は本来、季節の変わり目をさしましたが、今では冬から春に移り変わるとき、すなわち立春の前日を節分といっています。 立春の前日の夜には、神社では節分祭、寺院では節分会が行われますが、茶家でも、厄を払い、福を願って釜をかけるのが節分釜です。

茶道具の取り合わせとしては、釜は升釜、鬼面鐶付のあるもの、香合は、お福香合、七福神香合、豆男香合など、水指は、信楽鬼桶、茶碗は鬼萩、鬼熊川、干菓子はお福落雁、ねじり棒などが用いられます。


梅花祭

学問の神様として信仰の厚い菅原道真の忌火である二月二十五日に京都の北の天満宮で催される祭礼です。菅原道真が梅を愛したということで、現在は梅林に野点席が設けられ、上七軒の芸妓たちにより薄茶がふるまわれます。


光琳茶会

画家であり、工芸家で琳派の大成者である尾形光琳が晩年に住んだという屋敷の復元の完成を記念して熱海のMOA美術館で毎年二月に行われる茶会です。光琳屋敷の茶室・青々庵、一白庵などで会員制の茶会が開かれます。



二月に使われる掛物・銘

掛物…雪月花、紅炉一点雪、関、春来草自生、一花開天下春、春雲五色開など

銘…飛梅、寒松、淡雪、薄氷、草萌、初午、若草、春暁、玉串、槍梅、春霞、こぼれ梅、福は内、豆まきなど

二月の言葉…鬼やらい、青柳、梅が香、事始め、春浅し、余寒、宝珠山里、初音、雪間の草など



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