茶の湯 歳時記 ~ 十二月 ~ 茶道の知識
茶の湯 歳時記 ~ 十二月 ~ 茶道の知識
茶の湯歳時記~十二か月のうち、十二月の主な茶趣や行事などを紹介します。
十二月の別称~師走、除月、梅初月、春待月など
十二月の二十四節気~小寒(寒の入り 寒さがかなり厳しくなる時期)、大寒(寒さが最も厳しい時期)
十二月の茶趣
夜咄の茶事
炉の季節の、十二月の冬至に近い頃から立春までの厳寒の時期、夕暮れ時から行われる茶事のことです。
かつては、夜咄の茶事は夜込めといわれました。
冬の夜長に夕刻から客が寄合、炉辺にて茶を楽しみます。露地では灯篭や露地行灯に火を灯し、客は手燭で足元を照らしながら腰掛に進み、迎付に亭主と正客の手燭の交換をします。
席中では短檠や竹檠、点前や拝見のときは手燭を用い、風情を味わいながら、前茶、初炭、懐石、菓子、中立、濃茶の準に最後に止炭(溜炭)をします。
夜咄では、後入りの案内は銅鑼のかわりに喚鐘をうち、後座の床は盆石、如意などを飾、花は飾らないのが習わしになっています。
除夜釜
除夜釜は、新春を迎える準備を全て整えたのちに、大晦日の夜に静かにこの一年を振り返り、水と火の恩に感謝を捧げながら一服の茶を味わうというものです。
道具は侘びの趣向と、その年の干支の道具の使い納めをあわせ、除夜の鐘が響き始めるころまでに、静かに行く年を味わいます。
十二月の行事 ~ 茶道の知識
北野天満宮献茶祭
毎年、十二月一日に京都・北野天満宮で、天正十五年(一五八七年)十月に豊臣秀吉公が催した北野大茶湯に因んで催されます。
三千家と薮内家、久田家、堀内家が毎年交代で、献茶を行い、境内内外の数箇所に協賛釜がかかります。
三斎忌
細川三斎は細川幽斎(藤孝)の長男で、明智光秀の娘・お玉(細川ガラシア)を娶り、和歌、絵画、有識故実に通じた利休七哲の一人です。
茶道三斎流をくむ流派が九州・熊本と島根・出雲にあり、忌日に熊本では流派合同で立田自然公園内の茶室・仰松軒で三斎忌が行われます。
十二月に使われる掛物・銘
掛物…無事、歳月不侍人、山中無暦日、日々是無事など
銘…除夜、暦、晩鐘、薄氷、寒月、年の瀬、千秋萬歳など
十二月の言葉~歳の夜、冬ざれ、山眠る、氷面鏡、霜の声、風呂吹など