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茶の湯 歳時記 ~ 十一月 ~ 茶道の知識

2016/02/01

茶の湯 歳時記 ~ 十一月 ~ 茶道の知識


茶の湯歳時記~十二か月のうち、十一月の主な茶趣や行事などを紹介します。

十一月の別称~霜月、復月、達月、神帰月、仲文など

十一月の二十四節気~大雪(日暮れが早くなり、本格的な冬の訪れを感じる頃)、冬至(一年で昼が最も短い日 ゆず湯に入り、かぼちゃや小豆粥を食べる習わしがある)


十一月の茶趣

 

炉開き・開炉


風炉の名残りの時季が終り、十一月初旬になると、炉が開かれますが、茶の湯の世界では、この炉開きはお正月のようにめでたい事とされています。

外露地には敷松葉をし、日を追って内露地へと広げていきます。垣根や筧は青竹にかわり、茶室では畳表と窓障子が新しく張り替えられ、炉壇も塗りかえられます。祝儀の道具を取り合わせ、主人が濃茶を練り、家中の者や社中の人々にふるまうのが習わしとなっています。


紅葉狩りの茶


時雨の雨が降るごとに草木が色づく紅葉の季節に、自然の美しい風情を楽しむ茶会もまた格別です。御園棚を庭に出し、秋のすがすがしい空気の中で立礼にて一服の茶を喫するのも心和むものです。


九州・熊本の立田自然公園では、毎年、十一月中頃の日曜日に紅葉観賞茶会が催され、細川三斎(安土桃山・江戸前期の大名、妻は細川ガラシア)好みの茶室・仰松軒を中心に、茶人・数寄屋者が集い秋の風情を楽しむ催しが行われます。



十一月の行事 ~ 茶道の知識

 

光悦会


江戸時代前期に活躍した本阿弥光悦をしのんで発足した茶会で、毎年十一月に、京都北鷹ケ峰の光悦寺で行われます。東西の茶人や数寄屋者、古美術商らの会員が交流する大茶会として、東京の大師会(四月)に並ぶ京都の代表的茶会で、全国の名品、名器が披露されます。


宗旦忌


千利休の孫・千宗旦は、侘び茶を継承・普及させて千家茶道の基礎を定めた人物として知られます。

三男江岑に表千家を、四男仙叟に裏千家を譲り、それぞれを紀州徳川家と、加賀前田家に仕えさせました。また、武者小路千家を興した次男一翁を高松松平家に仕えさせて千家の存続に尽力しました。

宗旦の忌日は十二月十九日ですが、宗旦忌は一か月繰り上げて十一月十九日に裏千家で行われ、全国からの社中が参集して、宗旦を追慕します。

 

北野お茶壺奉献祭


北野天満宮は紅葉でも有名な京都の神社ですが、十二月一日に行われる献茶祭のためもお茶を献納する行事で、十一月二十六日に行われます。宇治、木幡、伏見、八幡などの各所の茶師が、茶を詰め八個の茶壺を唐櫃に入れ、行列を整えて北野天満宮に献納します。



十一月に使われる掛物・銘

掛物…枯木龍吟、千秋万歳楽、霜月照清池、壺中日月長、落葉流水、随など

銘…神楽、寒山、木枯、紅葉狩、小倉山、大原女、すすき野など

十一月の言葉~冬浅し、小春日和、帰り花、木守など



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