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茶の湯 歳時記~十月 ~ 茶道の知識

2016/01/27

茶の湯 歳時記~十月 ~ 茶道の知識


茶の湯歳時記~十二か月のうち、十月の主な茶趣や行事などを紹介します。


十月の別称神無月、良月、雷無月、時雨月、大月、初冬など

十月の二十四節気~立冬 (冬に入る日、まだ晩秋の気配が色濃い頃)、小雪(高山は雪で覆われ、里には木枯らしが吹き始める頃)


十月の茶趣


中置


中置とは風炉釜を点前畳中央に据え、水指を風炉の左側・勝手付に置いて点前をすることです。十月になって朝夕肌寒さを感じ、火が恋しくなる頃になると、中置点前を行い、間もなく行われる炉開きに備えます。

夏の間、暑さを避けるため隅に寄せていた小振りな風炉を大振りな風炉にかえて、客に近づけて据え、水の入った水指は勝手付遠ざけて点前します。風炉は鉄のやつれ風炉や織部の敷瓦を使って侘びた風情を演出します。


名残の茶


茶の湯では十月を名残の月といいますが、十一月の口切から使ってきた、残り少なくなった茶壺の古茶の名残を惜しんで、風炉から炉に移る十月中旬より下旬にかけて催される茶会です。

茶の湯の世界では十月は「暮れ」にあたり、一年最後の茶を惜しむ月で、風炉は鉄のやつれ風炉や、前欠き風炉を用い、風炉中には藁灰など道具も寂びた風情のものを使います。

釜も尾垂釜などのやつれ釜、茶碗は柿の蔕、雨漏などの高麗茶碗、茶筅など竹類は使い古しや、半枯れを使うなど、侘びの取り合わせがふさわしいとされます。


十月の行事


宇治の茶祭り


栄西禅師、明恵上人、千利休の三人の茶祖・茶行先覚者の霊を祀り、茶の史跡保存と宇治茶の振興を図るために、毎年十月第一日曜日に行われる宇治市恒例の茶祭りです。

宇治という地は、鎌倉時代に明恵上人により茶の栽培が伝えられて以来、茶どころとして地位を保ち、江戸時代には禁裏御所、将軍家、諸大名の使う茶はすべて宇治でまかなわれていたといいます。

宇治の茶祭りの献茶には表千家、裏千家の家元が毎年交代で奉仕しています。宇治川の塔ノ島公園には野天席が設けられ、興聖寺の境内の茶筅塚では茶筅供養も行われます。


如庵茶会


織田信長の弟・武将茶人の織田有楽好みの国宝茶室「如庵」が愛知県犬山市の犬山城の東にある有楽苑に移築されたのを機に(昭和四十五年)、「如庵会」が発足し、以後、文化財である茶室の維持保存を目的として会員を募り、毎年十月十日過ぎに茶会が催されています。 如庵は、茶道文化史上貴重な遺構として、京都山崎妙喜庵内の待庵、大徳寺龍光院内の密庵とともに、現存する国宝茶席三名席のひとつとなっています。


十月に使われる掛物・銘


掛物…清風明月、秋風、声雁、山色夕陽時、菊花令人寿、落日楼台など

銘…秋色、山路、嵐山、菊寿、金風、初時飴、夕紅葉など

十月の言葉~爽気、秋味、夜長人、落雁、紅葉、木の実時など


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