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茶道・茶道具豆知識~菓子器

2016/11/09

茶道・茶道具豆知識~菓子器

  

菓子器の種類


お茶の味を引き立たせてくれる和菓子は、茶道では欠かせないものの一つですが、その日本伝統の和菓子を盛るための器が菓子器です。


菓子器には、蓋物(ふたもの)と鉢・皿などがあります。茶道での和菓子は、季節感が重んじられ、菓子器との取り合わせにより全体としての美しさも変わってきます。


茶の湯の菓子は、本来懐石料理の一部であったことはよく知られているところであり、懐石用の器から転用された菓子器も多くみられます。


菓子の種類としては主菓子と干菓子があり、基本的には濃茶には主菓子、薄茶には干菓子となっています。しかし、今日では様々な形式の茶会が催されるところから、茶の湯の菓子も多様化しています。


菓子器の移り変わり


侘び茶が大成された桃山時代の菓子器は、漆器や木地ものの縁高食籠(じきろう)が主流であったといわれています。

江戸時代に入ると、茶事の形式が整い、料理が変わるにしたがって菓子も変化し、菓子器も多様化しますが、主流は相変わらず縁高や食籠であったようです。


「縁高」については、四方隅切の五段重で黒真塗という利休好の形が伝えられ、これが菓子器の基本となりました。この利休好の縁高を基本として、不見斎好など歴代家元の好み物がつくられていきました。



一重あるいは数段重ねの蓋付の器である「食籠」も、縁高とともに、今日まで主流とされてきた主菓子器です。食籠は主に唐物漆器で、丸形を基本に六角形、八角形などがあります。江戸時代後期以後、陶磁器の食籠もつくられており、ことに永楽保全は交趾釉を駆使した独特の食籠を残しています。


その他、一客ごとに出される菓子碗という菓子器もあります。菓子碗は、今日では特殊な茶事や特殊な菓子を盛る以外はあまりみられなくなりましたが、縁高や食籠同様、古式の菓子器のひとつに数えられます。古作としては石州好の菓子碗が伝来しており、裏千家九代の不見斎や十一代玄々斎好の菓子器も知られています。


今日、広間での茶会などでよく使かわれているものに陶磁器の菓子鉢があります。

本来、陶磁器の鉢は料理器として使われていたもので、菓子器として用いられるようになったのは、江戸時代中期からと伝わっています。また、江戸時代前期には古染付、祥瑞、清朝初期の染付や色絵磁器といった南蛮物、呉須赤絵、呉須染付の鉢も数多く請来しました。

しかし、こうした陶磁器の鉢は菓子器としては主流ではなかったようです。懐石用の料理器のとして使われていたものが転用されたケースもみられ、永楽保全作の祥瑞写や交趾写の鉢の蓋表には、保全自ら「丼」と書きつけたものも多くみられました。


明治時代以降、菓子づくりを専門とする店ができ、陶磁器の菓子鉢も普及するようになり、常用されるようになったと考えられています。


干菓子器としては一般には見込みの浅い盆が用いられます。盆が菓子器に使用されたのは、桃山時代に例がみられますが、干菓子用として限定されるようになったのは、江戸時代後期頃と伝わっています。 宗旦好の五角盆、玄々斎好の松ノ木盆などは、今日の干菓子器の典型ともいえる形です。


干菓子器には唐物と和物がありますが、唐物では堆朱(ついしゅ)などの彫漆類や存星、青貝、砂張盆や独楽盆などが珍重されています。和物の中で最も多いとされるのが、歴代家元や各時代の茶人の好んだ盆類ですが、干菓子器の場合、見立てて使う場合も多く、格式にとらわれない趣向性の強い器といえます。


菓子器の買取について


菓子器は、中世以来の形式を踏襲したもの、見立てられたもの、茶の湯独特の好みによってつくられたものなど多種多様です。素材も陶磁器製のもの、竹、籠などの木製のもの、漆器製のものなどあり形も様々です。また、菓子器は季節や菓子にあわせて使い分けるため、茶道を嗜まれているとおのずとその種類や数が増えてきます。


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種々ある菓子器は、絵付けの模様などによっても価値は異なり、見極めるためには経験や目利きを要します。


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書付や花押付のものは評価が高く、高価買取の可能性が高いお品物といえます。有名作家の作品や津軽塗などの塗物の菓子器など、ご売却をお考えでしたら、買取査定無料のいわの美術までご連絡ください。


高価買取が期待できる菓子器例


初代秦蔵六造 篆刻銀菓子器

黒瀬宗世造 鉄打出唐草模様菓子器

九代金谷五郎三郎造 黄銅菓子器

金寿堂名人造 練鉄内塗金菓子器

音丸耕堂(人間国宝)造 彫漆菓子器

山田宗美造 鉄鎚起菓子器 

山口丹金造 純銀菓子器

玉楮象谷造 堆黒菓子器 

紹美栄祐造 金工菓子器

三代金城一国斎造 堆彩漆菓子器など


  

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