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茶道のお菓子について ~ 茶道の知識

2015/12/01

茶道のお菓子について ~ 茶道の知識


おいしいお茶をいただくことだけが茶道の楽しみではありません。茶道を始める理由のひとつに「美味しいお菓子をいただきたかった」という方も多いかもしれません。


茶道では必ずお菓子が出されます。茶道では、季節によりいただく和菓子も異なります。

茶道でのお菓子は、四季の移ろいを、先駆けて告げる役割もあり、抹茶の味を引き立てくれる重要な要素のひとつです。


室町時代に武家社会を中心に「茶の湯」が確立し、それとともに茶道の菓子も発達していきました。その頃の菓子には、木の実、鮑、焼き栗などが用いられていたそうです。

最初は、懐石の後のデザートとして発達してきたものが、茶道での菓子となり、主題と季節を織り込み、亭主が趣向をこらす過程で洗練されていきました。


茶道での菓子の種類 ~ 茶道の知識


茶道でのお茶菓子には、主菓子と干菓子とがあります。

主菓子…練りきりなどの生菓子、まんじゅうなどの蒸菓子

干菓子…落雁、有平糖、煎餅などの乾菓子


正式な茶会では、主菓子は濃茶の前の料理の後で、菓子そのものの味を賞味します。

主菓子は、苦味のある濃茶を頂くために、飲んだ後にも、甘みが口の中に残るように計算された上で作られています。 干菓子は薄茶の時に出されますが、今日では、薄茶の場合でも主菓子を使うことが多くなっています。


茶道での菓子の戴き方 ~ 茶道の知識


茶道での菓子の戴き方は、流派によっても異なりますが、基本は勧められれば、遠慮せずに自分の懐紙に取って、いただけば良いのです。


菓子は抹茶が点つ前に戴きます。薄茶の場合は、亭主が茶杓を取り上げ、茶を茶碗に入れるころに菓子をいただくようにします。

懐紙とは 「かいし」または「ふところ」と読み、かつては懐に入れて、和歌などを正式に書き記す時に用いていました。

茶席では、和歌などを書き記すのに用いられていた時よりも小さな形で、菓子を取り分けたりするのに用います。 菓子を取る時、懐に入れる時には、二つ折りになっている輪の部分を自分の方、または下に向けて用います。

懐に入れる時には、輪になっている部分を下にして懐中し、自分の身に触れている側を下に、輪を手前にして畳に出します。そして、懐中の際に、外向きになっている側に菓子を取りますが、菓子を取る際は、右手の親指を外側にして懐紙を取り出して、左手を添えて表に返し、輪が手前になるようにします。

菓子をいただき、使った紙だけを菓子の屑が畳に落ちないように内側に折り畳んで、着物の袂に入れます。干菓子であっても、生菓子であっても、懐紙の扱い方の基本は同じです。


茶道での菓子器の種類 ~ 茶道の知識


茶道でのお菓子は、主菓子と干菓子に分けられますが、それを盛り付ける菓子器にも色々な種類があります。

主菓子は陶器や漆器の深めの器、干菓子は籠や漆器または金属製の皿など、平らな菓子器が使われています。

漆器には、堆朱、堆黄、堆黒などの唐物や鎌倉彫、蒔絵、根来などのものが用いられ、金属器では、南蛮砂張、南蛮モール、南鐐、唐銅などの菓子器が使われます。

丸形、四角のほか、少し端が反ったものなど、様々な形の菓子器があり、盆や高坏も用いられます。主菓子には、食籠(じきろう)という蓋のある器や、縁高といって、茶の湯の場合に多く用いられる重箱も使われます。縁高は、通常五つ重ねて一組ですが、一重に一つずつ菓子を入れ客数だけ重ねて、一番上に蓋をして用います。 人数が縁高の数より多い場合は、複数個を入れて使います。




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