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11代 瑞翁宗左(碌々斎) 1837-1910

瑞翁宗左の生涯


表千家10代祥翁宗左の長男として生まれ、19歳の頃表千家11代目を受け継ぎます。

紀州徳川家へ出仕しますが、1868年に始まった明治維新とそれに続く文明開化により、茶道に対する関心も薄れます。

また、表千家4代江岑宗左から続いていた紀州徳川家への出仕もなくなってしまいました。


瑞翁宗左は、世間一般的に茶道に対する関心が薄れてきた大変苦難な時代を、なんとか切り抜け表千家を守り過ごしたと言われています。


現在でも行われている北野天満宮の献茶は、明治維新後、茶道が軽んじられるなか、瑞翁宗左が茶の復興の為に始めた行事とされます。

また、利休の年忌等を立派に務め上げ、その後も山口の萩、長崎、下関、広島などを回り茶道の復興に力を注ぎました。


茶道の復興に多くの力を注ぎましたが、高齢になった為引退を決め、1892年に家督を長男に譲り、隠居して宗旦を名乗りました。


また、苦難な時代を乗り越えた瑞翁宗左が好んだ物は地味で詫びたようなものが多いですが、既望棗のような大変綺羅びやかで華やかな作品も好んだと言います。

74歳でこの世を去った瑞翁宗左ですが、長命だったため好み物、箱書共に多くの作品が残されています。