今回、いわの美術がお買取りしたお品物は正田暘谷の旭日形鉄瓶です。
正田暘谷は、天明鋳物師として活躍し、東京藝術大学大学美術館に作品が収蔵されている鋳物師です。
お買取りした鉄瓶は持ち手の部分がかなり錆びが出ている状態でした。
蓋を開けて中を見てみると、使い込まれているようで白く色が変わっていました。
鉄瓶は使い込めば使い込むほど、内側が白くなるのが特徴で、頑丈になっていきます。
若干の錆びは出ていましたが、普通に使用する分には問題ないレベルでしたので、共箱も揃っていたため、高価買取で対応させて頂きました。
鉄瓶というと岩手県の南部鉄器を思い浮かべる方も多いかもしれませが、栃木県佐野も天明鋳物という鋳物の有名な産地です。
佐野で作られた鋳物は美術工芸鋳物を総称して天明鋳物と呼ばれており、天慶三年に起こった平将門の乱を鎮め、唐沢城の初代城主となった藤原秀郷公が、京から5名のすぐれた鋳物師を連れて来て、軍器等の鋳造にあたらせたのが天明鋳物の始まりと伝えられています。
その後は江戸時代にはかなり発展をしましたが、明治時代に入ると近代産業の波に押され、衰退していきました。
現在では天明鋳物の技術と伝統を受け継ぎ、美術工芸品の製作に専念している鋳物師が少なくなってしまいましたが、現代の生活スタイルに合った鋳物の作成に日々研究を重ねています。
天明鋳物では鉄瓶をはじめ、茶釜、半鐘、鐘などの定番の鋳物から、機械の部品という目立たない品物まで幅広く制作されており、いわの美術でも鉄瓶や茶釜の買取に力を入れております。
全体的に簡素で趣のある独創的な形をしているのが天明鋳物の特徴で、図文が無いことも特徴です。
いわの美術では、天明鋳物の買取を日本全国で行っておりますので、ご処分をお考えの天明鋳物をお持ちでしたら、いわの美術までお電話、メールにてご相談下さい。
