今回、いわの美術がお買取りしたお品物は唐銅皆具で、高岡市で活躍する釜師・金森浄栄の作品です。
唐銅とは鉛、錫、銅で鋳造した金属の総称で、艶のある独特の色をしているのが特徴です。
皆具とは台子や長板に飾る道具一式の事で、茶の湯では水指、杓立、建水、蓋置の四器が同一の作りをしているものを言います。
現在では、同一の作りをしている風炉や釜も揃えて1セットとなっているものもございます。
お買取りした唐銅皆具は、水指、杓立、建水、蓋置と四器揃った状態の共箱付でお買取り致しました。
また、水指の鐶付は鬼面となっており、鬼面風炉や鬼面釜を組み合わせて使う事ができます。
唐銅の皆具は真の皆具と言われ、茶の湯では格式高いものとなっており、水指だけを単独で使用する事はありません。
皆具には唐銅以外にも陶磁器で出来た皆具もございます。
陶磁器で出来た皆具は江戸時代末期に登場したもので、明治以降は「好み物」が創作されるようになり、現在の茶の湯では欠かせないものとなっております。
また、茶会や広間に似合う華やかな皆具も陶磁器の皆具には多いのも特徴です。
ただし、陶磁器に皆具にも焼き物の種類によっては、茶の湯で使用する事を避けた方が良い物がございます。
青磁、染付、祥瑞写、赤絵写、金襴手写、交趾写、仁清写、和蘭写であれば使用する事ができますが、萩、唐津など国焼系や高麗物、御本写、備前などの無釉焼締陶器は茶の湯に用いる事は避けた方が良い皆具になります。
しかし、皆具をコレクションしている方もいらっしゃいますし、焼き物自体に価値がある場合もございますので、いわの美術ではどんな皆具も買取を行っております。
皆具のご売却をお考えでしたら、いわの美術までお気軽にご相談下さい。