こちらのお品物は、以前、いわの美術がお買取りした紫交趾の振出で、赤沢露石の作品です。
交趾焼とは、中国南部で生産された陶磁器の一種で、名前の由来はベトナムのコーチシナ(交趾支那)との貿易で、交趾船によってもたらされた焼き物だった事に由来します。
また、本家の交趾焼を写した京焼の色絵陶磁器全般の事も示しています。
作者の赤沢露石は、代々交趾焼の技術を継承してきた家系で、初代は田能村直入に南画を習い、その後京都五条坂で南画の指導をしていました。
その時に焼き物に出会い、陶芸家へ転身し、この頃すでに交趾焼の技術を確立していたと伝えられています。
2代目は交趾焼で技術保存の指定を受け、煙の問題で登り窯が禁止される以前から電気窯を考案し、当時の最先端技術を取り入れた交趾焼きを制作し、その技術は当代となる4代目がしっかりと受け継ぎ、現代感覚あふれる新しい交趾焼を発表しています。
お買取りした交趾焼の振出は落ち着いた色の紫交趾の七宝紋の振出しで、茶道具としての振出しは野外のお点前での菓子器の役割を果たしており、中に金平糖などを詰めて使用します。
共箱はシミや汚れが見当たりましたが、赤沢露石の作品という事で、高い評価での買取となりました。
いわの美術では、振出しの買取を行っております。
先ほどもお話しましたが、振出しは野外のお点前で使用する菓子器の役割を持つ道具ですので、野外のお点前で使用する茶箱セットの中にも含まれています。
振出し単品での買取はもちろん、茶箱セットと合わせての買取も行っております。
振出しのご売却をお考えでしたら、年間に多くの茶道具買取を行っている、いわの美術にお任せ下さい。