今回、いわの美術がお買取りしたお品物は高台寺蒔絵炉縁です。
作者は石川県生まれの村田宗覚で、父親から漆塗の指導を受け、蒔絵師・表正則に師事して蒔絵の技術を学びました。
独立してからは茶道具を中心に布着せ錯付けなど古来からの製法に取り組み、利休形・宗哲形などの寸法に拘った写し物を得意としており、技法の研究を重ね、忠実な再現を試みています。
炉縁は、炉の炉壇の上にかける木の枠の事で、漆を塗った炉縁は「塗縁」と呼ばれ、無地と蒔絵の2種類に分ける事ができます。
塗縁は一般的に四畳半以上の広間で使用し、蒔絵の塗縁は好みによって多種多様なものが作られています。
今回、お買取りした炉縁は高台寺蒔絵と呼ばれる、高台寺の霊屋(おたまや)の階段や厨子(ずし)に施されている桃山時代の華麗な蒔絵と同じ技法や類似した意匠の蒔絵を施したもので、桃山時代の蒔絵を代表する秋草・菊桐文様が用いられています。
この文様は豊臣秀吉夫妻も愛用していた調度品にも施されている蒔絵で、高台寺蒔絵の代表的な文様となっています。
特に目立った傷や漆の剥がれも無く、良い状態でしたので高価買取をさせて頂きました。
先ほどもお話し致しましたが、炉縁には漆を塗った炉縁は「塗縁」と呼ばれ、塗縁以外にも木地縁もございます。
木地の炉縁は一般的に小間で用いられ、当初は毎回使う度に洗っていたため「洗い縁」とも呼ばれていました。
使用する材木は様々で、中には社寺の古材で仕立てられる事もございます。
いわの美術では、塗縁でも木地縁でも、しっかりと評価して買取を行っておりますので、ご不要になりました炉縁がございましたら、まずはいわの美術までお電話、メールにてお問合せ下さい。