今回お買取りさせて頂いたお品物は茶道で使われる、水指(みずさし)という道具です。
茶道の点前では茶釜に水を足したり、茶碗を濯ぐための水を蓄えておく容器として使われています。
画像の品は陶器製の水指ですが、漆器や木地、ガラス製、金属製など様々な材質の水指が作られており、形の種類も多岐にわたります。
こちらの水指は雲錦(うんきん)という柄で、桜と紅葉が描かれています。この柄は雲と錦を直接描くのではなく、桜を雲に、紅葉を錦に見立てて雲錦と呼ばれました。
片面ずつに桜と紅葉が描かれ、春には客に桜が見えるように、秋には客に紅葉が見えるようにと整えるそうです。
今回お買取りした雲錦水指の作者、福森阿也は阿漕焼の陶芸家、福森守比古の奥方です。
京焼風の絵付け茶陶を行っており、洗練された女性らしい絵付けと風合いの良い作品で、とても人気の高い作家となっています。
作品では水指の他に茶碗や茶入なども制作しており、特に出来の良い作品ですと高価買取も行っています。