今回、いわの美術がお買取りしたお品物は信楽耳付水指で陶印、落款から3代高橋楽斎の作品という事が分かります。
その名の通り信楽焼でできた水指で、耳と呼ばれる取っ手のようなものがついているので「耳付水指」と呼ばれ、この形は焼締めの焼き物に多い形です。
信楽焼きは滋賀県甲賀市信楽を中心に作られている伝統的な焼物で、日本の六古窯の一つに数えられています。
信楽では良質の陶土があるため、その土味を発揮した作品が多く、これらは登窯、窖窯(あながま)の焼成によって温かみのある緋色の発色と、窯のなかで炎の勢いにより器物に灰が降りかかる「灰かぶり」の現象によって起こる「ビードロ釉」と焦げによって生み出されています。
そのため、まったく同じ文様が出ることがなく1点1点が貴重なものとなっています。
信楽焼きは、茶の湯の侘び寂びの精神に合ったシンプルな焼物として人気がございます。
外箱、共箱、共布付の状態の良い物をお買取りさせて頂きました。
高橋楽斎は天保年間に茶陶の名人と呼ばれていた高橋藤左衛門を初代とし、現在は5代目が信楽の地で作陶に励んでおります。
今回、お買取りした信楽耳付水指は3代高橋楽斎の作品で代表作の1つです。
2代の長男として生まれ、ブリュッセル万国博覧会でグランプリを受賞し、滋賀県の指定無形文化財に認定されています。
豪放な魅力を持つ古信楽と古伊賀の作風を取り入れた茶陶を中心に作陶を行っており、4代上田直方と共に近代信楽の名工として高い評価を受けています。
特に信楽焼では窖窯で7〜8日間焼成する古来の焼き方を再現しており、多種多様のバラエティに富んだ信楽焼の製作を行っております。
いわの美術では、高橋楽斎の作品の買取を行っております。
高橋楽斎の作品には「ら」の文字が力強く刻まれているのが特徴で、作家作品の他にも手頃な窯作品もございます。
どちらも高橋楽斎の作品なのですが、窯作品はデザインだけを作家が手掛けたものですので買取額が変わってきます。
「ら」の文字が刻まれている作品がございましたら、高橋楽斎の作品かもしれません。
ご売却をお考えの高橋楽斎の作品がございましたら、いわの美術までお気軽にお問合せ下さい。