今回、いわの美術がお買取りしたお品物は棗です。
棗は薄茶を入れる塗物の器の事です。
植物のナツメの実に形が似ている事からこう呼ばれています。
基本的には黒塗りの利休形を基本としています。
お買取りした棗はこの基本の形である利休形の棗で、川連塗の塗師で、一級技能伝統工芸士である大関新作によって作られた棗でした。
一か所が螺鈿の技法が取り込まれており、その螺鈿がアクセントとなっているお品物でした。
川連塗は秋田県湯沢市で作られている漆器で、今から800年程前に雪国であるが故に一年の半分が雪に覆われてしまうため、農民の副業として武具の漆塗りする事から始まりました。
江戸時代後期になると日常使いの食器作りに着手するようになり、技術が向上していきました。
しかし、天保の飢鐘、戦後の大不況など大きな危機が幾度となく訪れ、その技術が途絶えてしまう場面もありました。
そんな時代を乗り越え、川連塗は現在は伝統工芸品としての認定を受けました。
川連塗の特徴は何回も繰り返される「地塗り」と「中塗り」を行い、塗り立てと言われる「花塗り」で仕上げ乾燥する手法をとっており、丈夫で使いやすく実用漆器として人気が高い漆器です。
そのため、棗をはじめ菓子器、茶筒、茶托などの茶道具の製作を行っております。
いわの美術では川連塗の茶器をはじめ、川連塗の様々な漆器の買取を行っております。
ご売却をお考えのお品物がございましたら、いわの美術までお電話、メールにてお問合せ下さい。