今回、いわの美術がご紹介するお品物は、以前お買取りした長岡空郷の出雲焼苫屋香合です。
長岡住右衛門は楽山焼の陶工として代々受け継がれている名前で、長岡空郷は12代となっております。
そもそも長岡家の始まりは初代が松江藩主・松平治郷に認められ、一時中絶となってしまった松平家別邸で焼成されていた楽山焼を中興させ、当代で11代目となりました。
12代長岡空郷は11代長岡空権の三女と結婚し、2003年から空郷と号すようになりました。
江戸時代から続く楽山焼の伝統を11代空権から教わり、12代を襲名すべく日々作陶に励んでいます。
香合はお茶室で炭点前をする際にたく香を入れておく道具なのですが、通常のお茶会の場合、香をたかず、香を入れた香合を床の間に飾ります。
お買取りした出雲焼きの香合は苫で屋根を葺いた小屋をモチーフにしており、床の間に飾っていても存在感と趣を感じる事の出来る、焼き締めのシンプルな香合でした。
共箱、共布付でお買取りをさせて頂きました。
出雲焼とは出雲地方で生産される陶器の総称で、今回お買取りした楽山焼と布志名(ふじな)焼が有名です。
どちらもルーツは同じで、萩、備前、京都に対して適度な距離を保った場所で作られている事から、それぞれの良い部分を吸収した出雲焼が生まれました。
作品には萩焼を基礎として南蛮などの焼き〆、京焼のもつ多彩な色絵の技法、色絵三島の技法を合わせ持った独自の作品を作り出しています。
出雲焼きには先ほどお話しした楽山焼と布志名焼の他にも意東焼、母里焼も出雲焼になります。
ご自宅でこれらの名前の焼き物がございましたら、いわの美術までご連絡下さい。
また、焼き物の名前が分からない場合でもメールにお写真を添付して頂ければ、画像より判断し、査定を行う事が可能です。
処分をお考えの焼き物がございましたら、いわの美術までお気軽にご相談下さい!!