今回お買取りさせて頂いたお品物は塗師川瀬表完の秋泉棚です。
秋泉棚は溜塗の二重棚で、横板には楓の透かしがあります。
淡々斎の号で知られる、裏千家14世無限斎碩叟宗室が好んだ棚で、炉・風炉ともに使用できます。
秋泉棚は貞明皇后のために建てられた茶室「秋泉亭」の用具として、秋泉亭の余材をもって造られたといいます。
本歌は中村宗哲の作で、多くの写しが造られています。
川瀬表完さんは江戸末期の京塗師木村表斎を祖とする「表派」の技法を受け継ぐ京塗師です。
初代川瀬千太郎、二代繁太郎、三代厚と、川瀬家は代々調度品や茶道具等の漆製品を手掛けてきました。「表完」の号は二代繁太郎から用いられ、繁太郎が初代川瀬表完となっています。伝統技法を守りながらも、現代的な造形や文様を取り入れた作品を展開し、現在は三代厚(二代川瀬表完)の子が、2007年父の逝去に伴い、四代目表派三代目川瀬表完を襲名しました。
京塗師の漆製品お持ちではありませんか。
表派の代表的な方では川瀬表完さんの他に鈴木表朔さんもいますね。
いわの美術では川瀬表完をはじめとする塗師の作品買取りを行っています。