今回お買取りしました平棗は田中健智さんの作品です。
蓋上から全面に枝垂れた柳の蒔絵が素晴らしい出来の平棗ですね。
田中健智さんは金沢の塗師で、棗の他に中次のような薄茶器、菓子器や香合といった作品も制作しています。
お買取りさせて頂いた平棗は緻密な柳の蒔絵にとても目を惹かれる作品です。しなやかな枝垂れ柳の一枝一枝に丁寧な金蒔絵が施されており、造りの良いお品物でした。
作品には目立ったキズもなく、とても良い状態で、共箱と呼ばれる作者自ら箱書きをした作品を納める木箱もありました。
茶道具で用いられるこちらの棗は、植物の棗の実に形がよく似ていたことから、その名称が付いたと言われています。茶道を嗜んでいる方なら、棗と聞くと木製で漆塗りの蓋物容器を思い浮かべると思います。
今回お買取りさせて頂いた平棗も木製漆塗りの作品でした。
ただ棗にも様々な形状があり、平棗というのはその一つです。
他にも長棗や尻張棗、碁笥棗や丸棗といった種類の棗が有りますが、いわの美術ではいずれの棗もお買取りが可能です。