今回いわの美術がお買取り致しましたのは、74歳で茶の湯釜の人間国宝に選ばれた角谷一圭の松竹唐草文羽釜です。
角谷一圭は、父親である初代角谷巳之作の次男として生まれ、幼少の頃より父親の仕事する背中を見ながら育ったので、自然と釜師の世界へと進むようになりました。
小学校に入っても父親の仕事を手伝っていた角谷一圭は、小学校5年生の時に学校を辞めて釜師になるため父親に弟子入りします。
父親の厳しい指導を乗り越え、角谷一圭が21歳の頃に作った鉄瓶を地元の工芸展に出品した所みごと受賞し、以降は本格的に釜師として作品制作に励みました。
釜師としてもっと技術を学びたいと思った角谷一圭は、鋳金工芸作家の香取秀真や大阪の釜師である大国藤兵衛からも指導を受けて日展や工芸展などで様々な賞を受賞するようになりました。
80歳で人間国宝となった角谷一圭は数多くの名品を製作し95歳でこの世を去ります。
角谷一圭の作風
角谷一圭は、釜を作る際箆押しという技法を用いて模様を描き作品を製作しています。
箆押しという技法に出会ったのは、角谷一圭が茶釜の地紋など研究している時に見つけた和鏡がキッカケでした。
とても上品で美しい和鏡の文様を見た角谷一圭は、「この文様を茶釜にも生かせないか」と研究を重ね、和鏡の文様を付ける際に使われている箆押しという技法を釜にも代用させました。
箆押しとは、直接作品に文様を掘るのではなく吉野紙と呼ばれる和紙に文様の下地を描き、焼き上げたばかりの柔らかい型に水で和紙を貼り、その上から箆で描くという方法です。
ただ箆で下地の文様をなぞればいいだけと一件簡単そうに見えますが、箆を使う力強さで作品の出来が決まります。
例えば、強調したい部分を弱く彫ってしまうとインパクトがなくなってしまい、逆に細かく繊細に描きたい部分を強く彫ってしまうと全体のバランスが悪くなってしまいます。
このように箆を彫る強さによって作品の美しさが変わってしまうので、熟練した技が必要となり、素晴らしい作品を作り上げるには並大抵の職人では出来ない技です。
いわの美術では、今回ご紹介した角谷一圭の茶釜以外でも長男の角谷興斎や三男の角谷莎村、角谷興斎の
息子の角谷与斎など角谷家の茶釜をお買取り致します。
また、角谷家の工房で釜師として活躍している三浦一孝、金工家の高橋敬典、銀瓶などを主に製作している石黒光南などの茶釜もお買取りしております。
茶釜を製作している作家さんは、数多くいますので「この人の作品はどうなんだろ」と疑問に思いましたら、是非ご相談ください。
また、お問い合わせの際には、作家名・作品名・状態を教えて頂けますと、スムーズに査定が行えます。もし誰の作品かわからない場合は、メールやLINEで作品全体・作品の刻印・箱書などの画像を頂けますと詳しくお調べ出来ます。
しかし、貴重なお品物などになりますと査定までお時間を頂く事もございますので予めご了承頂けますと幸いです。
いわの美術では、茶釜などのお茶道具以外でも、絵画や掛軸、着物、洋食器、書道具、ブランド品、貴金属、中国美術、喫煙具、ガラス工芸品など他にも数多くのお品物をお買取りしております。
お引越しの片付け、生前整理、遺品整理、ご実家の片付け、家の解体、事務所の移転、閉店に伴う在庫処分など様々なご依頼をお受けしております。
「出張で来てほしい」「これはいくらぐらい?」「宅配で送りたい」「持って行って査定してほしい」などお電話やメールでお気軽ご相談下さい。
美術品買取のご依頼は、是非いわの美術へお願い致します。