今では見かける事が少ないですが、この写真のお品物は常香盤と呼ばれ、香炉の一種として奈良時代に使われていました。
常香盤は中国から日本へ伝わり、寺院で仏前の常香盤として使われていたと言われています。
また、朝から夕方まで燃え続け、燃えるスピードも安定している事から、時刻を計る香時計としても使われるようになりました。
現在と違い、技術など発達していなかった時代なので、時刻を計る事の出来る常香盤は様々な場面で使用されます。
香時計には、常香盤のような形以外にも、重りを仕掛けにした物も存在しました。
重りを使った香時計は、重りがついた紐をお香が入る部分に巻き付けて準備します。
お香と一緒に紐が燃えて切れる事で、下にある鐘にぶつかり音が鳴る仕掛けになっています。
昔はこの音が鳴る事で時刻を確認していたと言われ、機械がなかった時代には欠かせない物となりました。
常香盤の使い方
① まず容器の中に灰を入れます。
② 灰を木べらなどで平らにします。
③ 型と木片を使って、灰に凹凸をつけます。
④ 凹凸をつけた部分に、抹香を隙間なく埋め込みます。
⑤ 型を外して完成です。
今では、蚊取り線香のような渦巻き状の物が多く売られている為、抹香を使い作るという事が少なくなりました。しかし、まだ少しですが販売はありますので、この機会に自分で作りお香の香りを楽しむのも良いかもしれません。
常香盤を買取る際は、状態や時代、装飾、素材などが査定のポイントとなります。
古い常香盤は、資料館などに展示されている事が多く、市場には出回らないため、希少価値の高いお品物となります。
また、蒔絵や象嵌が施され、付属品が全て揃っていたりしますと、プラスの評価が付き、査定額がアップする可能性がありますので、常香盤など売却をお考えでしたら是非一度いわの美術までお問い合わせ下さい。
また、お電話だけの情報ですと査定は難しくなりますので、その際はお品物の写真を撮ってメールにてお送り頂けますと詳しくお調べする事が出来ます。
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香炉、御香刻道具、香合、乱箱、銀葉盤
香盆、お香、香札、羽箒、火入れなど