今回いわの美術がお買取したお品物は、中里重利の唐津「三島水指」です。
中里重利は佐賀県を代表する陶芸家で唐津焼の第一人者として活躍しました。
誰にも真似できない見事なろくろの技術と緻密に計算されて生み出された精巧なフォルムは、人の手で生み出されたとは思えないほどの出来栄えです。
中里重利が手掛ける唐津焼は日常雑器から茶器まで様々なものが作られており、作風や技法も多岐にわたります。
特に茶碗においては「一楽二萩三唐津」と称されているため名品が多く茶人からも愛されています。
さて、今回お買取りした中里重利の作品ですが三島水指というタイトルが付けられていました。
三島手という灰色の素地に細かい文様を縄状に型押した後その部分に白土を象眼し、透明な釉薬をかけて焼いた高麗茶碗の一種の技法を用いたもので、唐津焼では日本風にアレンジしているため「三島唐津」と呼び分けがされています。
お買取した作品は中里重利が生み出す端正なフォルムに、非常に細かいモチーフが隙間なく象嵌されている素晴らしいお品物でした。
共箱も綺麗な状態で保管されていたため高価買取となりました。
いわの美術では中里重利の作品買取に力を入れております。
中里重利は12代・中里太郎右衛門を父親に持ち、三男であったため中里太郎右衛門の名は継ぐ事ができませんでしたが、13代・中里太郎右衛門である兄と共に徹底的に陶芸に必要な技術を叩き込まれました。
伝統を受け継がなければならない中里太郎右衛門の名を受け継がなかった事が中里重利の自由な作風に繋がっており、唐津で粉引の技法を確立させるなど唐津焼の新しい可能性を広げました。
こういった経緯から中里重利の作品は高く評価されており、中古市場でも高値で取引されている作品が多く存在します。
シミ、汚れ、傷、ヒビなどマイナス要素がなければ高価買取も期待できますので、ご売却をお考えの中里重利の作品をお持ちでしたら、年間に多くの買取実績を持ついわの美術まで、お電話・メールにてお気軽にご相談下さい。