今回、いわの美術がお買取したお品物は大森曹玄の茶掛です。
大森曹玄は臨済宗の禅僧で、東京中野の高歩院住職、花園大教授、学長をつとめ、直心影流剣術第15代・山田次朗吉の弟子でもあり、直心影流剣術の「法定」の指導も行っていました。
また、剣・禅・書の臨済禅的体現者として大いに禅ブームの立役者として禅の国際化にも貢献した事で知られています。
今回お買取した茶掛は大森曹玄の肉筆のもので「山中無暦日」と書かれていました。
これは太上隠者の「人に答うる」と言う題の詩の中の一節で、「山の中の生活に暦は無い」という意味を持ち、今のこの時間や空間を大切にする茶の湯の席にぴったりの言葉です。
共箱などはありませんでしたが、シミもほとんどなく状態も良かった事から高価買取で対応致しました。
茶の湯の席では掛物が第一の道具とされており、特に禅僧の書である墨蹟が大切にされています。
茶の湯の背景には禅の教えが存在し、墨蹟という掛物を通して主客がともに一座建立の茶の精神性を深めることを考えたからだと言われています。
茶掛は一行書の場合、通常の掛軸と比べると幅が細くなっているのが特徴で、この他にも和歌や淡彩水墨画など茶席に合わせて用いられています。
ご自宅に使っていない茶掛はございませんか?
いわの美術では茶掛や茶掛以外の美術品の掛軸の買取を日本全国で行っております。
お問合せの際はどのような作品なのか書かれている文字、描かれているモチーフ、作者、大きさ、シミ、汚れ、共箱の有無などをお伝え頂けると査定がスムーズに進みます。
その他、茶掛の買取でご不明な点がございましたら、お気軽にお電話、メールにてお問合せ下さい。