こちらのお写真のお品物は以前、いわの美術がお買取した銀ツマミ尻張釜です。
その名の通り、摘み部分が銀でできており、尻張釜(しりはりがま)という胴の下部が広がり気味に張った形状をしているという特徴があります。
そのため尻張釜という名称はこの形が由来と言われており、馬の両脇を覆う泥よけの馬具を横から見た時の姿に似ている事から障泥釜(あおりがま)という別名で呼ばれる事もあります。
尻張釜には利休好の「大尻張」「中尻張」「小尻張」や、「天竜寺」の文字を鋳出した「天竜寺切合尻張」、「吉野山蔵王堂」の文字を鋳出した「吉野山尻張」など様々な尻張釜があります。
お買取した銀ツマミ尻張釜は釜師道彦の刻印が記されており、釜自体には目立った錆びなどはなかったのですが、蓋に細かな傷が多く、そういった部分がマイナス評価となりました。
それでも共箱付で銀ツマミ尻張釜という事もあって高価買取となりました。
いわの美術では年間に多くの茶道具の買取を行っており、茶釜はその中でも買取依頼が多いお品物です。
茶道では季節や茶事によって使う茶釜が決まっているため、茶道をやっているといくつかの茶釜を必要とします。
しかし、必要な茶釜を全て新品で購入するためには十分な資金が必要で、中には歴史ある茶釜もあり、こういった茶釜は茶の湯の席でも重宝されています。
そこで注目されるのが中古市場で、歴史あるもの、有名釜師の茶釜は高価買取が期待できます。
ただし、茶釜は水分が少しでも残っているとすぐに錆びてしまい、場合によっては穴が開いてしまう事がございます。
錆びや穴は買取額に影響を与えますので、茶釜を保管する際は水分をしっかりと除去してから保管して下さい。
また、歴史ある茶釜の場合、修復してあっても買取る事ができますので、修復跡があるから価値がないとご自身で判断して諦めてしまう前にいわの美術までご相談下さい。