今回、いわの美術がお買取したお品物は交趾写大亀香合で、作者は加藤土師萌の次男で、日吉窯を継承した加藤丈佳です。
この香合は実業家・藤田傳三郎が入手した大亀の香合を写したもので、現在、元となった香合は藤田美術館に収蔵されています。
藤田美術館は、藤田傳三郎が明治維新後に廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって仏教美術品が失われていく事を危惧し、仏像や仏画などの文化財保護につとめ、その意志を継いだ長男・平太郎、次男・徳次郎と共に親子2代に渡って集めた品物を公開するために1954年に大阪市に開館した美術館です。
ここには多くの貴重な美術品が収蔵されており、交趾大亀香合もそういったお品物の一つでした。
さて、今回お買取した加藤丈佳の交趾写大亀香合ですが、幕末に出版された「形物香合相撲」の番付表では最上位である東の大関に位置づけられており、大振りな形物香合は当時、貴重であったため、歴代の茶人に珍重されていた事が大きく関係しているようです。
交趾焼とは、中国・広東地方で黄・緑・紫の釉薬をかけて焼かれた焼き物の事を言い、お買取した交趾写大亀香合も交趾焼の釉薬が見られ、大変見事な香合に仕上がっています。
大徳寺511世・立花大亀の極書があり、二重箱という事からも大変価値のあるお品物という事が分かります。
そういった部分も評価し、今回は高価買取となりました。
加藤丈佳は重要無形文化財保持者に認定された加藤土師萌の次男で、青山学院大学を卒業してから父親の助手として本格的に作陶を始めました。
萌黄金襴手をはじめ、色絵、信楽、青磁など幅広く手掛けており、百貨店でも個展を開催しています。
公募展などにはほとんど出品していない事から、あまり広く知られていませんが、作域の広さは一人の作家が作ったものとは思えないほどバラエティに富んでいます。
ご自宅に加藤丈佳の作品はございませんか?ご自身で判断できない焼物の中に加藤丈佳の作品があるかもしれません。
いわの美術では作者不明の作品でも、豊富な知識と長年の買取経験を持つ鑑定士がしっかりと評価して買取を行っております。
他店ではあまり値段の付かなかった作品がございましたら、お気軽にご相談下さい。
また、加藤丈佳の作品であった場合、共箱と呼ばれる作品を収納する箱がご一緒ですと、査定もスムーズで、プラスの評価となりますので、汚れていたり、壊れていても処分せずに作品と一緒にお出し下さい。
その他、加藤丈佳の作品買取で分からない事がございましたら、お気軽にお電話、メールにてお問合せ下さい。