今回、いわの美術がご紹介するお品物は、以前お買取した手塚桐鳳の作品で黒仁清団扇文茶碗です。
手塚桐鳳は京都陶芸会の長老をつとめ、青磁・染付を得意としていた手塚玉堂(初代)の五男として生まれ、父から陶芸を学びました。
その後、京都山科に勧修寺窯を開き、青樹会、陶朱会に参加して東京・京都を中心に作品を発表し続けています。
また、還暦を機に大徳寺管長・高田明浦老師より窯名「花蝶窯」、陶銘「石雲」を拝領しており、2003年には京都・嵯峨に花蝶窯を開き、現在は手塚石雲として活躍しています。
手塚桐鳳の家は父親をはじめ、兄2人も陶芸家として活躍しており、長兄・手塚慧は父親の名である手塚玉堂を2代目として襲名しています。
そんな陶芸一家で育った手塚桐鳳は、端整で優雅な作風で知られ、京焼の伝統を大切にした仁清写、安南写を主に、茶碗、水指、皆具などの茶陶を中心に手掛けています。
そのため、今回お買取した作品も「黒仁清」と呼ばれる仁清写の作品で、仁清写とは江戸時代前期に活躍した陶工・野々村仁清の作風に倣った作品の事を言います。
お買取した手塚桐鳳の作品は黒と金のコントラストが絶妙で、丁寧な仕事は手塚桐鳳のまじめさが良く出ていました。
若干、使用感はありましたが、今回はこの他にも沢山の茶道具もご一緒という事で、通常よりも高く買取らせて頂きました。
いわの美術では年間に多くの買取実績を誇っており、手塚桐鳳の作品は何度も買取を行ってきました。
手塚桐鳳は本名を手塚充といい、手塚桐鳳は号になります。
また、大徳寺管長・高田明浦老師から「石雲」の号を拝領してからは手塚石雲と名乗り作品を発表しているため、一人の作家の作品であっても、号が違っています。
「手塚充」「手塚石雲」の作品も手塚桐鳳の作品に間違いありませんので、いわの美術が買取らせて頂きます。
また、手塚桐鳳が作品を監修した窯元作品も存在しており、安価に売られているものは窯元の作品という可能性が高くなっています。
それでもいわの美術では買取る事ができますので、ご売却をお考えの手塚桐鳳の作品がございましたら、まずはお気軽にお電話、メールにてお問合せ下さい。