お写真は、先日お買取致しました井村光男(侊生)の伊賀焼の水指です。
井村光男は、現代陶芸界の名匠の一人杉本貞光に師事し、茶碗、水指、花入といった茶陶から、大壺、香炉、食器類に至るまで幅広い作品を手掛け、高島屋、そごう、大丸など全国の有名百貨店で個展を開催する人気の陶芸家です。
今回お買取した井村光男の伊賀焼の水指は、古伊賀の作為性の強い趣ある作品です。箆を使った文様や、ゆがみ、緑色のビードロ、灰かぶりや焦げなどの意匠が、独特のコントラストを成した侘び寂びの感じられる作品です。
伊賀の野性味ある素朴な造形も作品に面白みを加えています。 使用感も少ない美品の水指で、井村光男の箱書き・落款付の共箱とあわせて、好評価にてお買取を行いました。
いわの美術では、国指定の伝統工芸品伊賀焼の作品買取を行っています。
奈良時代から始まった歴史ある伊賀焼は、野性味と素朴な自然美が特徴となっています。
十七世紀初めの桃山時代には、伊賀国領主の筒井定次や藤堂高虎が茶人であった事から、茶の湯の心遣いが巧みに取り入れた豪放で力強く破格な美意識を持った茶陶の水指や花入が焼かれ、この武将時代の伊賀焼は「古伊賀」と呼ばれました。
また、江戸時代に、藤堂高虎の娘婿で大名茶人・小堀遠州の指導により焼かれた、あかぬけて洒落た厚さの薄い茶器の「遠州伊賀」があります。
桃山時代より茶人に愛されてきた伊賀焼は、ノーベル賞作家の川端康成が、「美しい日本の私」の中で侘び寂びの日本文化を代表する焼き物として古伊賀をとりあげて絶賛しています。
伊賀焼の有名作家としては、文部大臣より地域文化功労者として表彰された伊賀焼きの大家谷本光生や、土楽窯の福森雅武、古伊賀に現代感覚を加えた藤岡周平などがおり、こういった人気陶芸家の手による伊賀焼作品は、一点からでも高価買取が期待できます。
ご売却・ご処分をお考えの伊賀焼の水指・花入などの作品がございましたら、是非いわの美術までお問合せください。買取査定額などのお問合せはこちらの買取査定フォームより承っております。買取査定は無料ですので、お気軽にお問合せください。