今回お買取したお品物は、白隠慧鶴の肉筆茶掛です。
買取した白隠慧鶴の肉筆茶掛には、初夢にみると縁起がいいとして、昔から知られている「一富士二鷹三茄子」が描かれています。
シンプルな線で描写された富士山の上に、「初夢や 一富士二鷹三なすび」と書されていますが、これは、初夢にみると縁起がいいとされている物の順番を示し、正月に一番目にみるとよいとされる夢が富士山、二が鷹、三が茄子となっています。
正月には、旭日や松竹梅鶴亀などが描かれた茶掛が好まれますが、今回買取の「一富士二鷹三茄子」の茶掛も、おめでたい正月に適した題目のひとつです。
今回買取した茶掛の作者である白隠慧鶴は、江戸時代中期の臨済宗の高名な僧で、臨済禅中興の祖、近世最大の禅僧ともいわれます。
現代日本の禅の二大流には、曹洞禅と臨済禅がありますが、臨済禅は中国宗時代の看話禅というものの影響を受けており、それが江戸時代になって、白隠慧鶴により組織的なものとなりました。
白隠慧鶴が臨済宗の布教活動に尽力し、諸国を遍歴し禅の民衆化に努めたことにより、臨済禅中興の祖と呼ばれています。
白隠慧鶴は駿河の出身で、余技としての画や書を民衆の教化に用いて、「駿河には過ぎたるものが二つあり,富士のお山と原の白隠」と土地の人々に慕われました。
白隠慧鶴は、たゆまざる求道精神をもち、孔孟・老荘思想など広く国内外の教典や神道研究に励み、世界性のある視野をもっていたとされています。
白隠慧鶴の書画などは、禅の強い欣求の精神を備えた特異な作風が特徴で、高い評価を得ています。白隠慧鶴の代表著書「坐禅和讃」はよく知られていますが、禅画、墨蹟なども数多く残されており、いわの美術でも白隠慧鶴の肉筆掛軸作品などの買取を行っております。
白隠慧鶴の作品の印名には「白隠」「慧鶴」「慧鶴之章」「臨済正宗」などが用いられていますので、買取査定のご依頼の際はご確認いただき、写真での情報とあわせて買取査定フォームよりお問合せくださいませ。詳しい買取の流れにつきましては、こちらをご参照ください。買取に関する費用はすべて無料ですので、お気軽にお問合せください。