こちらのお買取したお品は、十三代高取八仙造の高取焼飾壷です。
高取八仙は、四百年の歴史を持ち、長石や陶土を唐臼で搗き、 登り窯や穴窯によって焼成するなど、こだわりの伝統技法を守り続ける遠州七窯の一つ高取焼宗家の十三代です。
お買取した飾壷(飾壺)は、茶家の正月ともいわれる十一月の開炉の頃に行われる口切の茶事で使用されます。口切とは、茶師から持ち主にその年の新茶を壷に収めて届けられ、その茶壷の封印を切って当年初の濃茶を点てるもので、その口切の茶事の際,葉茶を詰めた茶壷を封をしたまま床に飾ることを壷飾りといいます。
壷飾りでは、茶壷を紐飾りしてドレスアップさせて床に飾り、壷を倒し、茶師の封印、壷の形、釉、土見などを拝見します。 また、茶壷の蓋の上に被せる四方形の布である口覆も拝見の対象となります。
今回買取の高取焼飾壷の口覆は、名物裂の文様の有楽緞子 (有楽純子)というもので、この有楽緞子は、飛鶴文を織り出した格調高い裂で、織田有楽(信長の実弟)の所持と伝わっています。
飾壷は、通年、壷荘付花月にも使われますが、お買取した高取焼飾壷あまり使用される機会が少なかったのか、非常に綺麗な状態で、口覆などの付属品・共箱とあわせて、好評価にてお買取させていただきました。
お買取した飾壷は、壷正面の釉薬の流れが絶妙に美しい景色を表した見事な高取焼の代表的な作風のお品でした。
飾壷は、飾壷そのものの出来も重要ですが、茶事においては、飾壷のほか、口覆、口緒、網、紐、壷飾紐、全てが揃った状態が拝見の対象となり、そのため、それら全てが揃った状態でないと、その役割を果たせません。そういった理由から、飾壷の買取査定では、口覆、口緒、網、紐、壷飾紐の全てが揃っており、共箱がご一緒ですと、高価買取の可能性が高くなります。
今回買取の飾壷は、飾壷だけでなく、口覆、口緒、網、紐、壷飾紐の全てが揃って保存状態の良い美品で、共箱も付属していたため、高価買取対応となりました。 付属品や共箱が無い場合でも、買取の対象となっておりますので、ご売却・ご処分をお考えの飾壷がございましたら、無料買取査定フォームより、お気軽にお問合せください。