こちらのお品は、以前お買取致しました田中宗凌作の中棗です。 田中宗凌は、漆器で有名な越前加賀の山中出身の蒔絵師で、中村宗尹に師事し、加賀蒔絵師として永年、棗の製作に研鑽しました。
今回お買取の田中宗凌の作品の共箱には「独楽継蒔絵 中棗」とあり、表千家でよく好まれるという独楽のつなぎ紋をあしらった蒔絵が施された、シンプルな面持ちの中棗です。
一見すると黒と金のみの、あっさりとした中棗ですが、蓋をあけると、立上りに鮮やかな朱色が塗られ、そこにも独楽紋が順序良くあしらわれています。
棗の保存状態もよく、田中宗凌の箱書き・落款付共箱とともに好評価にてお買取させていただきました。
薄茶を入れる容器を総称して、薄茶器または薄器といいますが、薄茶器の中でも棗は、ナツメの実に形が似ている事に由来しています。薄茶器の材質は、漆器、木地、象牙、竹などで一閑張、籠地などもあります。 薄茶器の形は、利休型とされる大棗・中棗・小棗が基本形となっていますが、時代が進むにつれて、その形を変化させ、種類も増え、現在では多種多様な形状の薄茶器があります。
薄茶器の買取査定では、素材や作家名、漆器であれば施されている蒔絵によっても、それぞれ買取評価が変わります。 また、買取査定では、薄茶器のキズや汚れなどの保存状態と、共箱・共布・栞などの付属品の有無も買取評価のポイントとなります。
薄茶器の買取のお問い合わせの際は、お手持ちのスマートホンなどのカメラ機能を使って、ご売却をお考えの薄茶器を撮影して頂き、メールに添付する形で弊社までお送りいただけますと、口頭で説明するよりも具体的に買取査定することが可能となります。詳しくはこちらの買取方法と流れをご覧くださいませ。