今回お買取致しましたのは、祥瑞蜜柑水指です。 祥瑞は、中国明代末頃に焼成された染付磁器の様式の一つで、器の底裏に「五良大甫」「呉祥瑞造」と縦書き二行の染付銘があるところからこの名が起ったとされます。
今回お買取の水指底面裏にも「五良太甫 呉祥瑞造」という染付銘がありますが、銘の解釈については専門家の間でも諸説あり「五良大甫」「呉祥瑞造」ともに陶工だという説や「呉」「祥瑞」は地名であるなど諸説粉々としています。
今回お買取の祥瑞の水指は、姿が蜜柑形、撮みも蜜柑のじくになった器形をしていることから、蜜柑水指とよばれています。絵には竹に雀、牡丹など代表的な祥瑞文様といわれるものが描かれ、秀麗な器の姿と相まって見事な調和を示しています。コバルトの発色もよく、白い素地の中に文様が映えています。
祥瑞には、茶器、懐石用具、水指、茶碗、香合などが作られていますが、中でも今回お買取したような蜜柑水指は最も珍重されたといわれています。
いわの美術では祥瑞柄の茶器の買取をしています。 祥瑞は、通常「ションズイ」と呼ばれている青花、日本語では染付と呼ばれている磁器です。
祥瑞は染付の青い文様に特徴があり、江戸時代の茶人に特に好まれたとされています。
祥瑞の文様は、円や菱形、亀甲、丁字形などの幾何学的分様が主体となり、その紋様とともに鳥や魚や波型などが描かれ、余白には中国山水風景などが埋められています。祥瑞茶碗で茶人に最も珍重されていたのが、茶碗の胴に太い茶色の線の入った祥瑞胴紺茶碗と呼ばれるものだそうです。
近代の祥瑞の作家としては、加藤利昌や川瀬竹春などが評価が高く、一閑人の人形を添えた作品などが人気で、作品により高価買取も期待できます。また、高い技術を要するとされる祥瑞をねじったような「捻祥瑞」も買取査定の対象です。ご売却・ご処分をご検討中の祥瑞柄の茶碗などの茶器がございましたら、買取実績豊富ないわの美術に是非ご相談ください。