こちらのお写真のお品は、山川巌の仁清松唐草絵水指です。山川巌は、初代石松が石川県にて九谷焼窯元として創業し、二代目巌が京都にて茶道陶器創作、当代三代目巌は二代目亡き後、巌窯を継承し茶陶などを中心に陶作し、仁清写などを得意としています。
今回お買取の山川巌の松唐草絵水指も仁清写の作品です。
仁清写とは、京焼の歴史の中で特に影響を与えたといわれる江戸時代前期の陶工・野々村仁清の作品を手本にして制作されたものをいいます。 野々村仁清は、轆轤の技術が大変優れた名士で、全体に薄手で、華麗かつ繊細な、絵画的な絵付けで装飾された作品が特徴とされています。現在の清水焼のイメージは野々村仁清がつくったといっても過言ではなく、現在も、野々村仁清の作品のスタイルを継承し、それを写した「仁清写」の作品が数多くつくられています。
お買取の山川巌の仁清写の水指には松唐草が絵付されています。松唐草の松は、古代中国の時代から風雪に耐え厳寒にも常緑を保つ事から、節操高き者の象徴として延命長寿の意味をもち、唐草にもその思いが永遠に続くようにとの願いが込められた絵柄となっています。
今回買取りの山川巌の水指には松唐草の絵が、淡い白の地に派手過ぎず地味過ぎず丁寧に絵付けされ、格調高い雰囲気が漂う作品です。 買取り査定の際、水指底面に汚れなどがみられましたが、箱書き・落款付の共箱とともに総じて良い評価にて買取を行いました。
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水指は、茶道の点前で、釜に補給する水や、茶碗・茶筅などをすすぐ水を蓄えておく器物のことで、水差とも書きます。水指の種類は、やきものが多くみられますが、金属、塗物、木地ものなどがあり、水指の形や大きさ・材質・色などによって、季節や棚、風炉、茶碗などとの調和を考えて取り合わせられます。
水指の買取では、作家物や共箱の有無、作品の出来具合や保存状態などによって買取査定額が変わってきますが、人間国宝 鈴木蔵や三輪休和など著名な作家の水指は高価買取致しております。また、表千家即中斎などの書付のある水指も、その作品価値を高めるとして高価買取に期待がもてます。水指など、茶道具の買取なら独自の流通ルートを有するいわの美術にお任せください。
