こちらは以前お買取致しました堀内宗完の茶杓です。
茶杓は、抹茶を茶器から掬って茶碗に入れるための匙というシンプルな役割ですが、茶道においては最も重要な道具のひとつです。
通常、茶杓は筒に収められており、筒に、その茶杓に付けられた固有の名前である「銘」が記されています。 茶杓はこの銘がポイントで、茶席の趣向により、銘が吟味され 茶杓の銘が選ばれます。
また、茶杓は、拝見を乞われる道具のひとつであり、茶杓の銘は、通年や季節毎に存在します。
今回お買取致しました堀内宗完の茶杓には、「好日」という銘が記されています。
これは中国唐時代末期の大禅匠 雲門文偃禅師の言葉である「日々是好日」を二字でいいきったものです。 日々是好日とは、毎日いい日が続いて結構なことだというような単純な意味ではなく、その日一日をただありのままに生きるという、清々しい境地を表しています。嵐の日であろうと、何か大切なものを失った日であろうと、ただありのままに生きれば、全てが好日なのです。
すなわち、心が外境に惑わされることなく、常に平常心を保つならば、晴れても好日、降っても好日の毎日がよい日となるというようなことを意味します。
この禅語の茶杓銘の「好日」は、通年使われる銘となっています。
今回買取した茶杓の銘をつけた堀内宗完は、表千家流堀内家12代で、茶杓の共箱と筒に「宗完」と花押が確認できました。
茶道具の買取実績豊富ないわの美術では、茶杓の買取にも力をいれております。
茶杓の材質には、竹や鼈甲、象牙、金属、その他木製などがございますが、主流は竹の茶杓です。
竹製の茶杓は、竹の種類によっても買取査定の評価が異なります。 竹製の茶杓には、マダケやハチクを切り出し油抜きした「白竹」、マダケを囲炉裏の天井などにわら縄で縛り付け100年以上、煙に燻した「煤竹」、桿にゴマ状の斑点が発生した「胡麻竹」、茶杓の桿にゴマ状の斑点が発生した「胡麻竹」、マダケの地下茎が地中で障害物に当り、地上に伸びて竹となった「雲紋竹」などがありますが、中でも煤竹は茶杓では最上の素材とされています。
さらに、竹製の茶杓には、樋があるものと樋がないものがありますが、樋があるものは、樋がないものに対して価値があるといわれており、竹製の茶杓の買取査定の際は、こういった素材や形状、作者などに鑑みて適正な買取査定を行っています。
また、茶人の間では、変わった茶杓が喜ばれるとされ、竹製の茶杓では、節のないものや節が5個もあるもの、蒔絵のあるもの、節裏が蟻腰であるものなどが珍重され、このような茶杓もお品物により高価買取の可能性があるといえます。 茶杓の買取なら、年間多くの茶杓の買取経験も有するいわの美術にお任せください。