今回お買取いたしましたのは、辻石斎作の木製漆器の水指です。
水指は、茶道の点前で、茶釜に水を足したり、茶碗や茶筅を洗う水を蓄えておくための器です。
水指には焼き物のものが多くみられますが、そのほかにも金属・塗物・木地のものなどがあり、季節や棚、その他合わせる道具などによって種々かわります。
今回買取の辻石斎の水指は、木の風合いが感じられる漆器製で、共蓋は美しい黒の塗蓋でした。
お買取した辻石斎の水指は、共箱に経過年によるシミなどが少しみられましたが、保存状態もよく、他に茶碗など数点とあわせて高価買取にてお譲りいただきました。
今回買取のご依頼をいただいたお客様は、弊社のオンラインメール査定をご利用いただいての買取でした。買取希望のお品物の写真を予めお送りいただきましたので、お客様におおよその買取査定額をご案内させていただくことが可能となり、お問い合わせから買取、入金までスムーズな買取となりました。
山中塗は、石川県加賀市の山中温泉で生産される漆器ですが、その始まりは400年以上も前の安土桃山時代とされ、江戸時代中頃からは会津、京都、金沢などから塗りや蒔絵の技術を導入して木地とともに茶道具などの塗り物としても発展をしてきました。
辻石斎は、その山中塗の第一人者とされ、木地師として活躍した初代から、現在は五代が当代となっています。
二代は、千家御家元より御用を賜わり、早逝した三代目に代わり四代を指導したことでも知られますが、茶道の家元や文化人らと親交を持っていました。そのつながりから、美食家、芸術家として名高い北大路魯山人とも関わりが深く、北大路魯山人と共同制作した「一閑日月椀」「唐人椀」などを遺しました。三代は二代より早く亡くなってしまっており、二代から指導を受けた四代が尽力し、三千家御家元、大日本茶道学会会長の御用を賜わることとなりました。また精力的に全国で個展を催し、茶道具を中心に幅広い漆芸品を制作しました。四代は、荒川豊蔵の漆芸制作に協力するなどし、数多くの名作を生み出したといわれています。
いわの美術では、いずれの代の辻石斎の作品も買取の対象とさせていただいておりますが、買取査定の評価は、何代かのどういった作品であるか、また市場の需要などによってそれぞれ異なります。
買取査定額は作品の出来や保存状態などによっても変わってまいりますので、買取査定の際は、出来ましたら、作品全体の写真と落款部分や共箱などの写真をお撮りいただき、弊社にメールに添付する形でお送りいただきますと、買取査定がスムーズに運びます。詳しい写真の撮り方などはこちらをご参照くださいませ。
いわの美術では買取に関する費用はすべて無料で行っております。メール査定は24時間受け付けておりますので、是非お気軽にご利用くださいませ。