写真のお品物は、先日お買取した河上恭一郎の蓮花文銘々皿です。 五枚セットで作者の落款入りのお箱とともに買取させていただきました。
買取した銘々皿は、蓮華(はすの花)を文様がかたどられた清涼感のある作品です。蓮華は、古代エジプトやインドの土器、建築の柱頭などの装飾文様として用いられ、ことにインドでは仏教の聖花として尊ばれるなど由緒ある文様です。
河上恭一郎は、銀座和光での展覧会など人気を集める現代のガラス作家ですが、松下電器(現 パナソニック)、保谷硝子などで会社員として勤めていた時代から、長い間食器を創ってきたという経歴のある作家で、フリーとなったのは54歳になってからだといいます。
そんな河上恭一郎ですが、河上硝子の三代目として生まれ、明治時代に政府による近代日本産業化政策のひとつとして始まった品川硝子製造所で学んだ小出兼吉を曾祖父にもち、その小出兼吉にガラス組成の調合を学んだ河上伝次郎が祖父という環境で育ち、その影響によりガラスへの興味を持つようになります。そして、東京藝術大学工芸科図案部卒業後は、会社員として広告やガラス器のデザインを手掛け、JETRO海外デザイン研究員としてスウェーデン、フィンランドに留学経験も持っています。
現在、喜寿を過ぎた河上恭一郎は、さらに円熟味を加えつつ、日常的なものからオブジェとしてのガラス作品まで分野を広げ、伝統を守りながらも常に新しい視点でガラスと向き合いつつ、創作を行っています。
今回買取の河上恭一郎のガラス作品は、河上恭一郎の作品によくみられる蓮華の文様を大胆にかたどった涼しげな緑色の銘々皿で、手作り感あふれる凹凸が優しい作品でした。
古き時代には、瑠璃、玻璃(ガラス)、金、銀、銅、石といわれ、金銀よりも位が高かったとされるガラス。いわの美術では、昭和初期に創業した河上硝子三代目として生まれ、現代を代表するガラス作家、河上恭一郎の作品の買取を致しております。
河上恭一郎は、日本人の感性に合った食器・花器・茶器などの制作をライフワークとしており、色ガラスを炉で溶かして絵画のように表現する「HORIZON」シリーズやぬくもりあるガラスの羅漢像など、幅広い作品制作を行っています。
また、日本文化を愛する河上恭一郎は、ガラスの硯や筆などのこだわりの書道具も手掛けるなど、型にはまらない創造の世界を展開し、注目を集めています。
河上恭一郎は銀座和光などで展覧会がたびたび催され、その作品は東京国立近代美術館工芸館やアメリカのミュージアムなどにもコレクションされています。
河上恭一郎のガラス作品買取なら、年間買取実績豊富ないわの美術にお任せください。茶道具だけでなく、美術品・骨董品など幅広いジャンルでの買取を致しております。
お引越しや荷物整理で、お手持ちの作品整理などなさる場合は、是非いわの美術までご連絡ください。