今回買取させていただきましたのは、ウルシ絵の木地の曲建水です。
こちらの建水は、木具師の橋村萬象の作品です。 橋本家の歴史は古く、平安遷都の時、奈良より皇室の共をして京都に移住したことに始まります。以後、橋村又左衛門の名で名字帯刀を許され、数十代にわたり御所禁裏御用の「有職御木具師」として、幕末まで檜による曲物などを作製等を行っていました。
東京遷都以後は、公家の御用に携わりながら「茶器木具師」として、主に秋田杉、吉野杉、尾州檜による曲物などの茶道具作りを始めます。
当代は3代で、曲物に胡粉による置上や色絵付けを手掛け、品格ある木具茶道具を主体に製作しています。 曲物を得意とする橋村萬象は、他に香合や棗などの作品でも高い評価を得ています。
今回買取させていただきました橋村萬象の曲建水は、白木の清々しさに、鮮やかに描かれたウルシ絵が映えた木のぬくもりの感じられる建水です。
千年以上の歴史を持つ橋村家だからこそ、成し得るしなやかな曲線美の素晴らしい作品でした。
建水は、点前の時、すすぎの濁水を捨てる器で、「こぼし」ともいわれます。
建水は、点前の時には勝手付に置かれ客からは見えにくいところで使われます。
今回買取の建水は、木地でしたが、他には唐銅、陶磁器、竹、砂張などの建水があります。
特に定まった形はありませんが、建水は袋状で上部が開いた形の餌畚(エフゴ)がもっとも多く、その他には、「棒の先」「槍の鞘」「箪瓢」 「鉄盥」「差替」「大脇差」などとあわせて七種建水と呼ばれます。
建水の買取では、作られた年代や、作家名、素材、形、使用感などによって買取査定額が異なります。
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