こちらは、先日お買取いたしました小峠葛芳の菊之絵水指です。今回買取の小峠葛芳の水指は、灰釉の作品で菊の絵が描かれています。
灰釉とは、灰釉とは木々や藁の灰を原料として釉薬を作り、それらを掛けて焼かれた陶器のことで、釉薬そのものを指して灰釉と呼ぶこともあります。
灰釉の作品は、侘びのある落ち着いた雰囲気と、 土の持つ個性を引き出す仕上がりを持っています。
今回買取させていただきました小峠葛芳の水指は、蓋にも菊の絵が描かれ、落ちついた雰囲気の中にも、所々に入った金が豪華さを感じさせる作品です。
菊の茎を彎曲させて描く事により、力強い植物の生命力が感じられ、描かれた白菊を際立たせています。水指の底面には陶印がみられ、小峠葛芳の箱書き・落款のある共箱とあわせて買取させていただきました。
いわの美術では、小峠葛芳の作品の買取を行っています。
小峠葛芳は、雅やかな作風ですが、その中にも自分なりの新しい感覚を吹き込んだ作品が多くみられ、作品によっては1点からでも買取の対象となる可能性のある作家です。
小峠葛芳は、叔父に当たる5代宮川香斎、益子焼の人間国宝 島岡達三に師事し、陶芸を学びました。1974年に京都宇治炭山に丹山窯を築いて独立します。その後、日本伝統工芸展などを中心に活躍し、大阪、京都、東京等で個展を開催しています。
小峠葛芳は、赤絵、祥瑞、染付など幅広く手掛け、単に華やかなだけでなく、派手さを抑えた作品に定評があります。
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