今回、いわの美術がお買取したお品物は風炉釜で、釡を高橋敬典、風炉を般若勘渓が制作したダブルネームの風炉釜です。
高橋敬典は重要無形文化財「茶の湯釜」の保持者として有名で、当時あまり有名ではなかった山形鋳物を広め、斬新な造形と、地肌、地紋にも工夫を凝らした気品ある作品が評価されています。
一方、般若勘渓は高岡を代表する釡師で、ろくろの技術を駆使して銅と錫の合金を使用して鋳造する砂張(さはり)を得意としており、古い時代に作られた釡の研究と写しを制作し、宮内庁から依頼を受け、正倉院供物の複製を制作しています。
共箱や栞などの付属品もしっかりと揃っており、未使用品という事で高い評価で買取を行いました。
共箱には「南鐐撮真形釜添唐銅朝鮮風炉」と書かれており、その名の通り、摘みには銀が使われ、釡の形は真形釡(しんなりがま)という茶釜の中でも基本的な形で、真形釡は鎌倉時代の初期に誕生したと考えられており、一般炊飯用の湯釜として用いられていた平釜を風炉に掛けられるように改良したとも言われています。
そして、朝鮮風炉は肩の張った切掛風炉で、三つ足がやや長く、上部の立ち上がりに透し紋、前後に香狭間透の眉がある独特の形をしている風炉で、この朝鮮風炉には真形釡を合わせるのが約束とされているため、今回お買取した風炉釜のように真形釡とセットになって売られている事が多いお品物です。
いわの美術では風炉釜の買取を日本全国で行っており、風炉釜以外にも他の茶道具も一緒に買取る事ができます。
風炉釜は5月~10月の間に茶事で使用される季節が限定された茶道具の一つで、「夏は涼しく」という部分から炉を使わずに風炉を使用して茶事を行います。
そのため、炉用の釡と風炉用の釡で形状が異なっており、風炉用の釡は炉用の釡と比べると小ぶりになっているのが特徴です。
お点前によって使う事のできる風炉釜が決められておりますので、一人の方でもいくつかの風炉釜をお持ちかと思います。
その中で使っていない風炉釜がございましたら、いわの美術が買取ますので、まずはお電話、メールにてご相談下さい。