今回、いわの美術がお買取したお品物は、15代中里茂右衛門の白磁透かし彫り香炉です。
白磁の透かし彫りの第一人者である15代中里茂右衛門は、どこを見ても手を抜いている所が見られない細かい装飾が施された白磁の香炉を多く手掛けており、お買取りしたお品物も、「二重透かし彫り」という15代中里茂右衛門が独自に編み出した技法で、通常の籠目透かし彫りの六角形の穴と穴の間のわずかなスペースに三角形の穴を彫るという15代中里茂右衛門しか出来ない技で制作されています。
お買取りした白磁透かし彫り香炉は、とても繊細で高い評価を付ける事ができるお品物なのですが、残念ながらヒビの入っている箇所がございました。
こういったヒビなどの欠損箇所は査定時に大きく影響し、買取額が下がってしまいます。
また、今回は作品を収納する共箱がありませんでしたので、共箱なしでの評価で買取を行いました。
中里茂右衛門は一子相伝で続く平戸焼きの名窯で、横石藤七兵衛、里見五兵衛、古川甚右衛門らは、その分家に当たります。
中里茂右衛門が一貫して手掛けている平戸焼きとは、長崎県佐世保市で生産される陶磁器で、別名を三川内焼(みかわちやき)といい、天草陶石を用いた白磁に透かし彫りや藍色で絵付けがされた白磁作品の事をいいます。
中里茂右衛門の作品は、香炉を多く手掛けていますが、香炉と密接な関係にもある、香合の制作も行っており、施される技法はどれも精緻で、リアリティ溢れるものとなっております。
使われている技法が複雑であればあるほど、買取額は高くなり、時にはビックリするほどの買取額を提示する事もございます。
中里茂右衛門の作品をお持ちでしたら、何代目の作品か分からなくても、まずはいわの美術までご相談下さい。