今回、いわの美術がお買取したお品物は安藤七宝店の玉形透釉有線花瓶です。
茶道では花瓶や花器など「花入れ」と呼び、陶器、陶磁器、竹、籐、金物など様々な素材で作られており、季節によって使い分けがされています。
また、花入れの素材によって「真」「行」「草」に分けられ、扱いも変わってきます。
今回、お買取りした花瓶は七宝焼で出来ている花瓶で、安藤七宝店は1880年に創業した七宝焼の老舗として知られています。
玉形透釉有線花瓶の四君子というシリーズで、四君子とは蘭、竹、菊、梅の4種を、草木の中の君子として称えた言葉で、それらの図柄を使用したものを指す言葉でもあります。
そのため、花瓶には菊、梅が描かれており、真ん中に描かれた牡丹がとても印象的なお品物でした。
有線七宝という色が混ざらないように金属の銀線を使用してガラスの釉薬を焼き付けており、宝石のような輝きが美しいお品物でした。
ご依頼主様は茶道をやっている方でしたが、こちらの花瓶は茶道用で購入したものではなく、自宅用で使用していたそうです。
いわの美術では、茶道具用の花入れ(花瓶)はもちろん、茶道具に適さない花瓶でも買取る事ができます。
安藤七宝店は1880年から七宝焼一筋の七宝焼の専門店です。
万国博覧会に出品を果たし、海外、国内合わせて多くの賞を受賞した経歴を持ち、1900年には宮内省御用達を拝命しており、海外でも「J・ANDO」の名で多くのコレクターが存在しています。
七宝はシルクロードから伝わった交易品で、日本へは一部の渡来人の技術によってもたらされたといわれています。
七宝の名は仏教典にある「七つの宝石」が語源となっており、その宝石に匹敵するほどの美しさを持っている事から付いた名前だと言われています。
また、七宝焼には有線七宝を基本に、無線・盛上・透胎・省胎・彩釉(鎚起)・エマイユなど数多くの技法があり、使用する釉薬も透明、半透明、不透明と分かれています。
安藤七宝店では各工程すべてが専門の職人による分業で行われており、どの工程も熟練した職人たちの手によって生み出されています。
いわの美術では美術的価値の高い安藤七宝店の七宝焼の買取を行っております。
使っていない安藤七宝店の七宝焼がございましたら、まずはいわの美術までご相談下さい。