今回、いわの美術がお買取りしたお品物は月夜野工房の義山氷室茶碗です。
月夜野工房は上越クリスタル硝子株式会社が運営するガラス工房で、上越クリスタル硝子株式会社は日本で初めて体温計を作った会社として知られており、皇居新宮殿や帝国ホテル等のガラス壁面の製作、中尊寺の瑠璃色ガラスビーズや正倉院ガラス、赤坂迎賓館のシャンデリアガラスなどの復元、大相撲優勝杯の提供など、ガラス業界の老舗メーカーとして様々な実績を持っています。
お買取りした義山氷室茶碗は涼を感じる事ができるので夏のお茶の席で使用するガラス製の茶碗です。
義山とはガラスを意味する言葉なのですが、これはオランダ語のディヤマント(ダイヤモンド)が訛って「ギヤマン」と聞こえた事から「義山」と漢字があてられ、茶道具ではガラス製の道具を義山と呼ぶようになったそうです。
お買取りした義山氷室茶碗はフロストガラスがお茶を点てる時に美しいコントラストを表現し、涼しさを演出してくれそうなお品物でした。
ちなみに氷室とは冬の氷を夏まで貯えておく室(むろ)の事で、ガラスの器をその室から出した時に器が曇る姿を模している事から「氷室」と付けられたのではないかと思われます。
月夜野工房では「ガラスを愛するすべての人のために」という思いから、これまでになかったガラス製品作りにチャレンジしている工房です。
新しいガラスの技術の開発はもちろん、今までに関連性のなかった分野である茶道を嗜む方からの依頼によってガラスの茶道具を手掛けるようになり、人気を集めています。
工房としてだけではなく、作家を育成する事にも力を入れており、グループ展を開催するなど会社をあげて新しいガラス製品の開発に力を入れております。
月夜野工房の茶道具は今回お買取りした茶碗の他にも水指などの製作も行っております。
もちろん、茶道具以外のガラス製品に人気があり、上越クリスタル硝子株式会社が運営するビールレストランで使用している専用のビアグラスはビールを注ぐとグラスの中に夕焼け空が広がるという発想で製作されたユニークなグラスで、現在は父の日の定番アイテムとして人気を博しています。
いわの美術では月夜野工房の茶道具の買取に力を入れております。
ガラスの茶道具は今が売り時です。使用する予定のないガラスの茶道具がございましたら、いわの美術までご相談下さい。