今回、いわの美術がお買取りしたお品物は上田恒次の練上鶉手四方皿で、2種類の土を混ぜて制作を行う「練上」の技法を使って鶉(ウズラ)の文様を表した四方皿です。
茶道では懐石道具として使用する事が出来、正式の茶事において「薄茶」「濃茶」を行う前に提供される料理の事を「懐石料理」といいます。
これは茶会で空腹のまま刺激の強いお茶を飲む事を避け、お茶を美味しく味わうために千利休が考案したもので、利休の時代には「会席」「ふるいまい」と茶会記に記されています。
懐石料理には一汁三菜(或いは一汁二菜)とされており、その際に家具、器物、酒器が使われ、今回お買取りした練上鶉手四方皿は器物に分類されます。
懐石道具として使用せずとも、その美しい文様は飾り皿として飾って頂けるお品物で、目立った傷や汚れもなく、共箱付で買取を行いました。
いわの美術では、懐石道具ならびに上田恒次の作品の買取を日本全国で行っております。
上田恒次は京都民藝協会の会長をつとめた経歴を持ち、京都民芸資料館の設立に尽力した人物として知られています。
河井寛次郎に師事し、練上の技法を伝授され、新作民芸を手掛ける中心的存在として活躍しています。
河井寛次郎の元から独立を果たすと、自身が設計した理想の家屋建設に取り掛かり、その設計図は河井寛次郎の弟子入りを許されるためのきっかけとなったものでした。
到底実現できないとされていたその設計図は、見事に形として完成し、今も国指定文化財としてその姿を残しています。
上田恒次は共箱に力強く独特の筆致で書いている事が特徴で、とても分かりやすいかと思います。
共箱が無い時は上田恒次の作品かどうか判断するのが専門の知識が無ければ難しいと思いますので、作者不明の作品がございましたら、「価値がない」といってご自身の判断で処分してしまうのではなく、一度いわの美術までご相談下さい。
いわの美術では買取に関するご相談、査定、鑑定など無料で行っております。