今回、いわの美術がお買取りしたお品物は道場宗廣の中次です。
中次とは薄茶器の一種で、円筒の寸切形のものを言い、中次という名前は蓋と身の合わせ目が胴のほぼ中央にある事に由来しています。
お買取りした道場宗廣の中次は共箱に「銀粉溜二季鳥蒔絵中次」と書かれています。
道場宗廣は山中塗の塗師ですので、銀粉溜という銀粉を蒔きつめた蒔絵の技法が使われています。
また、二季鳥というのは雁の事で、秋に北方から来て春に戻ってくる習性にちなんでいます。
ちなみに雁にちなんだ銘は、雁が音(かりがね)、雁鳴く(かりなく)、初雁(はつかり)など多くの銘が存在します。
二季鳥は茶道具では割と有名な銘ですので、薄茶器以外にも香合などにもよく使われています。
目立った傷や汚れもなく、共箱付でとても良い状態でしたので、高い評価での買取となりました。
こちらの薄茶器の他にも茶碗や水指など茶道具一式をご売却したいとの事でしたので、出張買取でお伺いさせて頂きました。
道場宗廣は料理人で有名な道場六三郎の兄でもあり、山中(宗廣)工房で30有余年漆器の制作に携わっているベテランの塗師です。
父親から漆芸を学んでから今日まで、多くの茶器を手掛けてきました。
山中塗は石川県の3大漆器の一つで、「木地の山中」「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」と称されています。
山中塗はもともと山中温泉に来る湯治客相手に売られていたお土産物として生産されており、その生産量はとても少ない物でした。
時が経ち、原料の調達が容易になった事と関西などの消費地に近いという利点をいかし、廉価の大衆製品の大量生産を行うようになり、現在では会津塗を抜いて全国第1位の生産量を誇っています。
その山中塗を30年以上も手掛けている道場宗廣の作品は人気が高く、いわの美術でも積極的に買取を行っている作家の一人です。
道場宗廣の作品をお持ちでしたら、是非、いわの美術へお譲り下さい!!
いわの美術では日本全国から道場宗廣の作品の出張買取、宅配買取を行っております。
どちらの買取方法になるのかはお問合せ頂き、お話しをお伺いしてからの対応となりますので、お問合せ時はどういったお品物なのか詳細をお伝え下さい。
共箱や共布など付属品は買取額に影響してきますので、壊れていてもご一緒にお譲り頂く事で買取額がアップしますので、処分せずにご一緒にお譲り下さい。
その他、道場宗廣の作品買取で分からない事があれば、お気軽にお電話、メールにてご相談下さい!!