茶筅(ちゃせん)
茶碗に入っている抹茶と湯を撹拌し、
茶を点てるのに用いる竹製の道具。
竹の根元側を細く裂き、糸で編んだ物。
形は流派や用途・点前の技術により様々であり、
穂の数が16~120本まであります。
64本が標準的な本数と考えられ、
内穂と外穂を合わせて128本となります。
穂数が少なく穂が太くしっかりした強い茶筅が濃茶用、
穂数が多く穂が細くしなやかで
やわらかい茶筅は薄茶用といわれています。
表千家では煤竹、裏千家や他の殆どの流派では白竹(淡竹)、
武者小路千家では紫竹(黒竹)が使われています。
茶筅は幾数もある茶道具の中でも代替えできないものであり、
技術と魂を込めて作られる芸術品であるといわれています。
しかしながら用途から必然的に消耗するため、本来ならば一回使い捨て、
大事に使用したとしても数十回も使用すれば穂が折れてしまう物です。
茶筅の種類(竹の素材)
:煤竹茶筅・・煤竹で作られた茶筅で、主に表千家で使われています。
煤竹は古い民家などの屋根裏から取れ、100年から200年以上の月日をかけて囲炉裏の煙などで蒸されて自然に付いた茶褐色や飴色などが特徴です。現在煤竹は数が減少傾向にあり、1本数十万円以上する事もあります。
:黒竹茶筅・・黒竹で作られた茶筅で、名前の通り黒色をしています。
黒竹は、始めは緑色なのですが、夏を過ぎるとだんだん黒くなっていき、2年程で真っ黒になります。主に庭園用に栽培されたり、建築用や装飾用、工芸品の素材としても利用されます。
:淡竹茶筅・・淡竹で作られた茶筅で、一般的によく用いられている茶筅となります。
淡竹は中国が原産の竹ですが、日本では孟宗竹や真竹に次いでよく栽培されています。
孟宗竹よりも耐寒性がある為、北海道や日本海側に多く見られます。
:青竹茶筅・・青竹で作られている茶筅です。
青竹は名前の通り軸が青々としている竹の事を指し、青竹踏みが有名です。
穂の本数での名称
:平穂(16本)、荒穂(32本)、中荒穂(48本)、常穂・並穂(64本)、数穂・繁穂(72本)、八十本立て(80本)、百本立て(96本)百二十本立て(120本)