人間国宝 藤本能道 『赤絵花瓶』
藤本能道の赤絵花瓶買取りました
藤本能道は、色絵を極めた加藤土師萌と富本憲吉という2人の人間国宝に学び九谷焼系の色絵技術を取得しました。
藤本能道の初期の作品は、白の背景に鳥や花を描いたシンプルな作風が多いのですが、余白を上手く使う事でシンプルながらも上品な作品に仕上がりました。
その後、今まで真っ白だった余白部分に雲や水辺、周りの木々などの背景が描き加えられ、また初期の頃に比べると描かれている模様がとても写実的に描かれていて、味のある作品となっています。
今回お買取りした作品は、藤本能道が得意とする赤絵で花が描かれた花瓶となります。
二輪の花が描かれたとてもシンプルな作風ですが、温もりを感じさせる素晴らしい作品となっています。
こちらのお品物は先々代から受け継いだ古いお品物で蔵に保管されていた為、箱にシミなどが見られましたが、お品物自体はとても状態が良かったので高評価にてお買取りとなりました。
藤本能道
67歳で色絵磁器の人間国宝に選ばれた藤本能道は、1919年に東京で生まれます。
中学卒業後は、東京美術学校の工芸科図案部に入学し1931年に卒業後、文化省技術講習所に入所してさらなる技術を磨きます。
東京美術学校を卒業した翌年には、文化省技術講習所の講師として来ていた人間国宝の加藤土師萌に師事して陶芸を学びました。
文化省技術講習所を卒業後は同講習所の臨時職員として勤務するようになり、その時教授として教壇に立っていた人間国宝の富本憲吉に弟子入りし、助手として富本憲吉を手伝いながら技術を習得しました。
加藤土師萌と富本憲吉という2人の偉大なる人間国宝から学んだ技術を生かし49歳の頃に開かれた第31回光風会展にて「礎器色絵花瓶」が初入選した事をキッカケに、数多くの作品を製作しながら釉薬や描画法などの研究に励みます。
1946年以降は日展、国展、日本工芸会東京支部展など数多くの展覧会で賞を受賞した功績が認められ、51歳で東京芸術大学の教授に就任し、66歳では同校の学長を務めるなど母校にて後世の育成に励みました。
また、白磁に色絵で絵を描いてから本焼きし、焼きあがった作品の上から上絵付けを行う「釉描加彩」という独自にあみだした技法が評価され、67歳の時に「色絵磁器」の人間国宝に認定されます。
2人の師匠から受け継いだ技術と独自の研究により人間国宝になった藤本能道でしたが、その才能を惜しまれつつ73歳でこの世を去りました。
人間国宝の作品買取
いわの美術では、今回お買取りした藤本能道のような人間国宝のお品物をお買取りしております。
陶芸の世界では上記でもご紹介した藤本能道の師匠の加藤土師萌と富本憲吉、益子焼の濱田庄司、彩釉磁器の徳田八十吉、志野焼の荒川豊蔵など他にも様々な作家の作品をお買取りしております。
人間国宝の作品は、単品でも高評価でお買取り出来るものが多いですが、その為に状態や付属品の有り無しがとても重要となっております。
共箱やしおり、共布、二重箱などすべてがそろい作品も綺麗な状態ですと高評価となりますが、飾っていた物で箱がないとなると完品のお品物より査定額が下がってしまいます。
せっかく売却するなら少しでも多く金額を貰えた方がいいですよね?
ですので、まだ売却を考えてないお品物でも買われた時についてきた付属品は全てとっておきましょう。
もし、売却する時に必要のない物だとわかればその後処分する事も出来ますので、ご自身で捨てる判断をする前にいわの美術にお問い合わせ頂けますと幸いです。
また、弊社では陶芸作品以外でも着物や掛軸、中国美術、仏像、ブロンズ、洋食器、絵画、ガラス工芸、書道具、武具など様々なお品物をお買取りしております。
ご自身で買われた物、故人様の遺品など大事なお品物を次に大切にしてくれる方への橋渡しをお手伝いさせて下さい!