前端春斉 溜大口 海松貝蒔絵

今回お買取致しましたのは、塗物水指の一つである溜大口（おおくち）で、加賀蒔絵師前端春斉の作品です。

大口などの塗物水指は、勝手元の道具として用いられるものを水指として見立てたものです。

大口は、水指などに水を注ぐ片口状の木地曲物で、口が大きいところから大口と呼ばれ、表千家では春先のころ置水指として用いられます。

今回買取の前端春斉の大口は、表層に透明な漆を塗って仕上げる溜塗の作品で、蓋裏には、見事な海松貝蒔絵が施されています。

海松貝は海草で、海松に貝をあしらったものを「海松貝といい、海の松ということで、おめでたい時の茶席等にも用いられます。

今回買取したような溜塗で蓋裏と内側に海松貝金蒔絵の大口は、表千家十二世惺斎敬翁宗左の好みものとして知られています。

いわの美術では、加賀塗の名跡 前端春斉の買取をしております。

前端春斎は石川県出身の塗師が代々襲名している名称で当代が三代ですが、三代の祖父である初代が木地師、父で二代が塗師、そして三代前端春斉が蒔絵師ということで、名門前端家の技術と伝統が脈々と受け継がれています。

三代前端春斉は、伝統を継承するだけではなく、新しいデザインを用いて現代感覚にも順応した茶道具や菓子箪笥、硯箱などを製作しています。

また、三代前端春斉は「陶漆」という陶器に蒔絵を焼き付けた技法を考案し、新たな漆芸の世界を広げるなど、新たなことにチャレンジする大胆さも兼ね備えた蒔絵師です。

前端春斉一の作品、お持ちではありませんか？ いわの美術では前端春斉の作品買取を行っています。前端春斉の作品を、ご処分・ご売却の際は是非いわの美術にご相談下さい。